チェルサイエ視察ツアー
昨年まではミラノサローネを視察するツアーを開催いたして参りましたが、今回はボローニャで9月に開催されます展示会「チェルサイエ」を視察するツアーを開催することとなりました。チェルサイエはタイルや洗面化粧台、水栓のアドの水回り製品の関する展示会で、弊社で取り扱っておりますcasabathもこのチェルサイエで商談を致しました。
前回チェルサイエを訪問したのは5年近く前になりますが、その際は木目プリントが全盛で、多くのメーカーが商品紹介をしておりました。ところが今年は木目プリントはほとんど見ることが無く、天然石を模したものが多く見受けられました。カラーに関してはまだグレーはトレンドと感じましたが、その中で少し赤身が混ざったベージュ・グレージュも目立っておりました。艶ありの物は少なくほとんどが艶消しで、トレンド継続中のようです。
洗面化粧台メーカーは、最近んはミラノサローネに出展するようになったようで、チェルサイエに出展するメーカーは大分少なくなっておりました。その中で感じたことですが、まずミラーはLEDや照明付の物がほとんどです。日本ではまだ少ないようですが、これから増えてくるのではないでしょうか。アークスタイルでもお手ごろな価格でLED照明付きミラーをラインナップに入れる予定です。
色に関してはタイルと同様、赤みのあるものが使われており、またパステルトーンで、アパレルのトレンドを意識した色合いになります。その他、人大のトップやボールも多くなっています。私がcasabathを見つけた20年前は、人大を使っているメーカーは、大手メーカー数社程度で、ほとんどのメーカーが陶器のボールでしたので時代の流れを感じます。今は陶器のボールはクラシカルな印象を与えるほど昔の素材となってしまったのかもしれません。そのほか、水栓ではマットブラックやゴールドの物が多く展示されており、日本でもそろそろゴールドの水栓などが登場するのではないでしょうか。
チェルサイエ視察以外で、今回はボローニャ市内、ランボルギーニ博物館、世界遺産となっている地中海の5つの町チンクエテッレ、アルプスのふもとのワイナリーを訪れました。イタリアの魅力は何といっても古くから残されている町や建物の中に、最新のデザインが混在しているところです。日本ですと最新のデザインは東京などアヴァンギャルドな都市から輩出されているように思っている方が多いのかと思いますが、イタリアは歴史を感じる街並み暮らす、どちらかというとトラディショナルを愛する人達がデザインをしているのです。
今回はパートナー様と、美しい地中海が堪能でき、ゆったりと時間の流れるチンクエテッレで3時間以上かけて昼食を楽しみました。料理は決して高級なものではなく地元の素朴な料理、また頂いたワインも有名な銘柄ではなくローカルな白ワインでしたが、今までに味わったことの無い贅沢で豊かな時間となりました。
私達工務店は、お住まいになる方々に「快適さ」ばかりを強調し提案していて、「豊かさ」を感じる暮らしをないがしろにしている、というよりはそもそも「豊かさ」を感じるような時間をイタリア人のように過ごしておらず、ゆえにお客様にご提案できないのではないのか、などと考えさせられました。
下の写真にランボルギーニカウンタックがありますが、このような車は六本木などの都市部で人に見せびらかすのではなく、名も知れぬ田舎道を走らせた時に本来の魅力を感じ取れるのかもしれません。