ものづくりへの情熱

年始に静岡県浜松市にある、本田宗一郎ものづくり伝承館に行ってきました。
父親の影響もあって幼いころからホンダが大好きで、80年代に登場したリトラクタブルヘッドライトのプレリュードやアコードなどは衝撃的でした。そこから創業者の本田宗一郎氏にも興味を持ち始め、本などを読むうちに心酔していきます。特にものづくりに対する情熱の大きさに驚かされ、私の本田宗一郎氏のような情熱をもって仕事をしたいなと常に思っています。そんな彼の情熱を身近に感じれるのではと思い、訪れることに致しました。
伝承館には、本田宗一郎氏のホンダでのエピソードなどが分かる資料が展示してあり、また歴代の多くはありませんがホンダの初期のバイクやエンジンなどが展示されていており、施設は小さかったですが見ごたえは十分で、動画なども視聴したので1時間30分は滞在したと思います。
浜松の小さな会社であったホンダが世界一を目指してあくなき挑戦をし続け、バイクのレースであるマン島TTには1961年に優勝、F1は1965年のメキシコGPで優勝、1972年には、当時不可能と言われた排ガス規制法であるマスキー法をクリアする世界初のエンジンを開発するなど、世界に名を轟かすメーカーに成長していく様は、業界は違いますがものづくりに携わる者として胸が熱くなります。
このように自動車メーカーとして素晴らしい成功を収めましたが、本田宗一郎氏が更にすごいと感じさせることは、お客様に対する姿勢です。それにまつわるこんなエピソードを当時のスタッフさんが語っていらっしゃいました。
「東京工場の小さな組立ラインが動き出したばかりで、回りの連中もみんな素人。浜松からベテランが来て、一通り指導して帰ってしまった。慣れてないから、ビスをしっかり締めなかったり、忘れたりする。おやじさんが現れた時に、それを見つかっちゃった。私じゃなくて隣にいた人が。もう食いつきそうな目で、まず、『この馬鹿っつら!阿呆っつら!馬っつら!』ときた。それから『お前、給料どこからもらってる?』『会社からです』。『会社はどこから金もらってる?』『買ってくれた人です』。『結局はお客さんからもらってるってことだ。なのに、こんないい加減な仕事しやがって、お前、そのお客さんを殺す気か!』と。」
会社の成長や利益だけの為だけではなく、お使いになるお客様が安心安全にホンダの製品を使ってもらえるよう、真剣にものづくりをされてきたことが良く分かります。
今回の本田宗一郎ものづくり伝承館では、私は携わっている家づくりに対して本田宗一郎氏のような情熱をもって臨んでいるのだろうか、もっと出来ることが有るのではないか、と深く考えさせられました。それにしても何ともカッコいい「オヤジさん」、少しでも近づきたいなと思っています。