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谷尻誠氏の講演を聞いて

10月26日から開催されましたジャパンホーム&ビルディングショーで、谷尻誠氏のセミナーがあり聴講いたしました。ご自身の自己紹介で、建築家でもあり起業家でもあるとおっしゃっている通り、様々な活動をされていて以前より注目いたしておりました。お話を聞いて、どこかイタリア人に近い感覚をお持ちだと感じました。日本で建築家といいますと、建築物の設計を生業としていらっしゃる方、という認識をお持ちの方がほとんどかと思いますが、イタリアの建築家(アルキテット)は、建築以外にも家具や雑貨のデザインをしたり、ファッションデザイナーのジャンフランコフェレ氏(1944~2007)はもともと建築家であったり、建築以外の仕事やプロジェクトに携わることも少なくありません。そして、「楽しく仕事をする、休みは自然に触れる、嫌な人とは仕事をしない」ということもおっしゃっていて、そのあたりもイタリア人ぽいなと感じた理由の一つです。谷尻氏がセミナーでお話されていたことをまとめてみましたのでご覧ください。

◆谷尻氏の話のまとめ

・建築業界は昔からずっと効率の悪いやり方を続けている。そして労働に対する対価も低く割に合わないと感じている。 自分はいかに効率よく割に合う形にできるか、と考えて仕事をしている。

・自分の生活をシームレスにして、 すべて仕事のように遊んでいる。仕事のストレスをオフで発散するというのことではなく、仕事のストレスはマネージメントで解決している。コロナ以降は極力嫌な人と仕事はしない、それも仕事でストレスを抱えないコツかと思う。

・オフィスには「社食堂」という食堂が併設されている。社食+食堂オフィスの中に町の人が入ってきている感じ。
スタッフの体の細胞から設計する スタッフに良いものを食べさせたいから食堂を作った。スタッフは仕事と関係なくオフィスに来たくなる。

・食には地産地消や生産者尾の顔がわかったり、素材の情報が入りやすいが、なぜ建築はそうでないのか?
建築の建材・素材の生産者がわからない。また建材はユーザーに直接売っているわけでないので伝えにくい。さらにユーザーと接点がない。それを何とかしたい。

・建築雑誌に載っても「建築ムラ」の人たちにしか伝わらない。だからSNSなどでも言葉を付け加えて発信することで、社会性を帯びる。

・建築は全て考えないといけない。オフィスっぽいところで働きたくないから、スタバで仕事をする。スタバをオフィスと呼んでもおかしくないのでは。エントランスは頑張って中は事務机という事務所が多い。外見を良くしても、実務者は良い仕事環境と思ってない。良い会社は、中(労働環境)から外によさが伝わっていく。

・どうしたら買いたくなるのか、行動原理が分かれば設計にフィードバック出来る。オンラインは直接的な購買 オフラインはうっかり買ってしまう場合がある。

・自然の「移ろう」「思い通りにならない」部分が魅力と感じている。建築はどちらかというと固定的、移ろう建築、完成しすぎない建築、を目指している。素材・建材は時間に負けない物(経年劣化ではなく経年変化していくもの)を選ぶ。

・オリジナル建材作りたい。メーカー品の借り物競走はダメだとスタッフに言っている。

・スティーブジョブスのような、社会に対して目標を持っている人に憧れる。イノベーションの先に歴史がある。思い通りにならないことを意図的にやる、自分らしくやる、評価を気にしない。

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